セキセイインコと暮らしていると、病気やケガはつきものです。治療のため鳥病院でお薬を処方されることもあるでしょう。たいていは飲み水に溶かして飲ませるタイプが多いと思います。
しかしセキセイインコは頑固で薬水を嫌がる場合が多く、なかなか飲んでくれないことがあります。我が家のセキセイインコ・藍緒さん(メス・二歳)もそうでした。
薬を飲んでくれないと病気やケガが良くなりません。でも全く水を飲まなければ体調を崩してしまうのではと不安になります。
最終的には強制的に飲ませるしかありません。でも!出来れば自分から飲んで欲しい‥。お互いつらい思いをしないためにも。
そこで!我が家のセキセイインコ・藍緒さんに試して成功した方法を紹介します。藍緒さんの腸内の悪玉菌を減らすため鳥病院で処方された粉状の乳酸菌を飲み水に混ぜました。
鳥病院で鳥が耐えられる限度を教えてもらう
処方された薬を水やエサに混ぜると味を嫌がって食べない、飲まないということがよくあります。ストライキが続くと当然体重は減っていきます。
その場合、何グラムまでなら減っても大丈夫なのかを知っておくのが重要です。耐えられる限度は鳥の種類、個体差、病気の有無によって変わってきます。
セキセイインコは平均体重が35g~40gと言われています。藍緒さんは骨格が小さくベスト体重は30gです。鳥病院で相談した結果、24gまでなら大丈夫でしょうと言われました。
素人判断をせず、かかりつけの獣医さんに相談して限度を決めることをおすすめします。
実際に薬水を与え様子を見る
処方された乳酸菌は1日0.5gを30ml(30g)の水にとかして与えることになっています。藍緒さんは薬に慣れていないので0.2gから始めました。
計量は0.1gまで計れるデジタルスケールを使うと便利です。
タニタ キッチンスケール はかり 料理 シリコンカバー付き デジタル 2kg 0.1g単位 ホワイト KJ-212 WH カバ…
薬水以外のものから水分をとらないように野菜や水浴び用の水は取り付けないようにします。
毎朝、水を替えるとまずひと口ゴクンと飲む藍緒さん。今日から薬水だから変な味がしたのでしょうか、ちょっと舐めてペッ!とやるとそのまま離れてしまいました。結局その日は薬水を飲む様子は確認できませんでした。
そのまま飲んでくれれば問題なかったのですが、予想通りダメでした。ここから細かく工夫していきます。
本当に飲んでいないのか?詳しく調べてみる
薬水を飲むところは観察できませんでしたがここで疑問があります。飲んでいないと言い切れるのか?ということです。
小さなセキセイインコの飲む水の量は人間から見たら僅かです。しかも24時間張り付いて見ていることはできません。もしかしたら見ていないところで飲んでいるのでは‥と思い調べてみることにしました。
デジタルはかりを使用して0.1gまで正確に計ってみる
朝、鳥を起こしたら0.1gまで正確に量って薬水を作ります。
水30mlは僅かな量なので底の面積が小さく深さの出せるバナナ型の水入れがおすすめです。飲み口が小さいのでフンが入って汚れることも少ないです。
水が自然蒸発する分を注意する
繰り返しますが僅か30mlの薬水です。冬場など特に空気が乾燥しています。その分、水も蒸発します。蒸発する水の量も考慮する必要があります。
少しでも正確に計るため、比較対象を用意します。同じ種類の水入れに同じ重さの飲み水をもう一つ用意します(乳酸菌は高価なので代わりに0.2gの小麦粉を溶かしました)。
もう一点。冬場は鳥かごには防寒カバーをつける家も多いと思います。その場合もう一つの飲み水にもラップでカバーをして蒸発する水の量をなるべく近づけます。そして鳥さんの飲水と近い条件の位置に設置しました。(バナナ水入れは飲み口が小さいので蒸発を防ぐ点でもおすすめです)。
毎朝ふたつの飲み水をつくり、夜になって寝かしつける前にもう一度2つの水の量を計ります。2つの水入れの重さの差が開いて入れば、それが飲んだ水の量となります。
表から飲んでる水の重さを計算
3日間の飲み水の量を比較してみました。
乳酸菌入り (水30ml +粉0.2g) | 小麦粉入り (水30mg+粉0.2g) | |
1日目 | 朝30.2g 晩27.2g | 朝30.2g 晩28.7g |
2日目 | 朝30.2g 晩27.7g | 朝30.2g 晩28.8g |
3日目 | 朝30.2g 晩27..3g | 朝30.2g 晩28.3g |
(小麦粉入りの水の量)―(乳酸菌入りの水の量)=鳥の飲んだ水の量
- 1日目…1.5グラム
- 2日目…1.1グラム
- 3日目…1.0グラム
0.1グラムは本当に一滴、なので誤差はあると思います。しかし3日間続けて比較対象の水より藍緒さんの飲水の方が1g以上減っていました。
結果、1g強は水(乳酸菌入り)をのんでいる!という結論になりました。
少なくとも全く飲んでいない訳ではないらしいです。ちょっと安心しましたε-(´∀`; )
セキセイインコが1日に飲む水の量は?
野生のセキセインコはオーストラリアの乾燥地帯に住んでいます。何ヶ月も水無しで生活することもあるとか。セキセイインコは乾燥に強い鳥と言えます。
調べてみると鳥が1日に飲む水は体重の10%前後という意見が多いです(個体差があります)。
藍緒さんは30gなので1日に必要な水は3グラム前後‥必要量の約半分ほどの水は飲んでいたとになります。
乾燥に強いセキセイインコがわずかでも毎日水を飲んでいるらしい、と分かればかなり安心できます。この間、藍緒さんの体重も28gまで減りましたが、24gの限界ラインまではまだ余裕があります。
相変わらず私の前では水を飲む素振りを見せませんが、引き続き乳酸菌治療を続けます。
さらに観察、大きな変化
少し安心したところでさらに観察を続行。そこで大きな変化がありました。
飲み水の量の観察を始めて4日目、大きな変化がありました!水を替えると同時に藍緒さんが乳酸菌入りの水を飲みに来たのです。毎日行っていたルーティン復活です。落ち着いてきたのか、反抗しても無駄だとわかってあきらめたのか‥とにかく待ち望んでいた嬉しい変化です。
4日目以降の結果です。
乳酸菌あり (水30g +薬0.2g) | 菌なし (水30mg+水0.2g) | |
4日目 | 朝30.2g 晩24.3g | 朝30.2g 晩27.3g |
5日目 | 朝30.2g 晩23.5g | 朝30.2g 晩27.2g |
6日目 | 朝30.2g 晩24.5g | 朝30.2g 晩26.5g |
- 4日目…3グラム
- 5日目…3.7グラム
- 6日目…2.0グラム
飲む水の量が増えました!さらにエサをたくさん食べた後に一口飲むところも目撃しました。
乳酸菌を与える以前のように普通に水を飲めるようになったんです。
その後、乳酸菌の量を0.3グラム、0.4グラム…と少しずつ増やしていきました。
現在は適性量の30ミリリットルに0.5グラムを溶かした乳酸菌を飲めるようになりました!
まとめ
今回セキセイインコに乳酸菌を飲ませる訓練で思ったこと。当のセキセイインコは…
「飲んで飲めないことはないけど、ゴネれば飼い主の方が折れるのではないか?」と考えているように思えます。
「この飼い主はゴネても折れてくれそうにないな。仕方ないから飲むか。」と思わせることが出来たら成功です!
以前主食のシードをペレットに切り替える時は、今回よりも時間がかかり大変でした。そしてやはりある日突然ペレットをガツガツと食べだしたのです。
途中かなり体重が減って心配でしたが「この子なら○○グラムまでなら体重が減っても大丈夫」と主治医の先生に教えてもらって挑戦しました。それでこちらもある程度強く出ることが出来ました。
頑固な子には安全を考慮したうえでこちらも簡単にあきらめないで薬を与え続けるのが大切だと感じました。
「病気」として現れる前に腸内をキレイにしてあげたくて始めた藍緒さんの腸活。年をとっても最後までなるべく元気で充実して暮らしてほしいものです。
セキセイインコに乳酸菌を飲ませるポイント
☑鳥の飲む水の量はわずか。実は少し飲んでる可能性大!できるだけ細かく量を計って調べてみる。
☑その子の体格や病気の有無などを考慮する。主治医とよく相談して与え方を決める。
☑少量混ぜるところから初めて徐々に増やしていく。
☑鳥との我慢くらべ。体調の異変がないなら「これを飲まないとダメ」という強い姿勢をみせる。
(※個人の主観、経験に基づいております。)