今や寒い時期に鳥かごを保温するのは常識になりつつあります。大切な愛鳥に少しでも長く、健康で快適に暮らしてもらいたい‥。具体的にはどうすれば良いでしょうか。
20年以上に渡り文鳥・セキセイインコの保温を工夫し続け行き着いた、私の現在の保温方法を紹介します。
わかりやすく絵にしてみました。順番に説明していきます。
①鳥かご全体を常に緩く温める保温器
保温とひと口に言っても、寒くなり始めの秋口と1月2月の冷え込みの厳しい時期ではかなり違ってきます。必要に応じて細かく調整できる事が重要です。
私は緩めのものと強めのもの、2つの保温器具を組み合わせて使っています。
まずは秋口や春先にメインで使う緩めの暖房を紹介します。
内側に取り付けるタイプ
セキセイインコの藍緖さんの鳥かごに使用しているのはこちら。
Sサイズを使っています。鳥かご全体を赤外線で緩く温めてくれます。元々は爬虫類用で蓋の裏に取り付けるものです。レビューを見ると小鳥の保温にも使われいたので購入しました。
金網の内側の壁面に取り付けて使っています。4つのネジで固定して取り付けるようになっています。電球では無いので球切れの心配がありません!
鳥さんが調子悪そうならまずは保温!というくらい保温は大事。秋口から春先まではベースの暖房としてこの暖突を一日中つけています。最低限の保温は常に確保出来ている、という安心感があります。
ところで一日中つけていて電気代は大丈夫なのかと思ったことはありませんか?
そこで一日中つけっぱなしでひと月(30日)使い続けた場合(1KW19円で計算)の料金を比べてみます。
・保温球40Wを24時間使用した場合
0.04×24時間×30日=¥547
・暖突Sサイズを24時間使用した場合
0.013×24時間×30日=¥177
保温球に比べるとかなりお得です。日本製であるのも安心できますよね。先代の鳥さんから引き続き10年以上使っています。故障もありません。
黒い発熱部分は不織布です。周りの金属部分も1時間以上たってから触ってみましたが、ほんのり温かい程度です。鳥さんが火傷をする危険は低いと思われます。本体から出ているコード部分はプラスチック性のクリップで齧れないようにしています。
外側に吊り下げるタイプ
しかし文鳥の珊瑚くんにも同じ暖突を使ってもらおうとしたところ、受け入れてもらえませんでした。内側に取り付けたのが怖いのか大騒ぎでした。他のヒーターを色々探して結果、現在使っているのがこちら。
形は暖突と似ていますが、金網の外側に取り付けるタイプです。安心したのか珊瑚くんも受け入れてくれました。留め具で引っ掛けるようになっています。取り付けも簡単で、取り付け位置も自由に変えられます。鳥用に開発されただけあって、発熱プレート部分の汚れも拭き取りやすく便利です。
こちらのバードヒーターはプレート部分はかなり熱くなりますが、外付けで金網との間に隙間ができるので火傷の心配はありません。
温度設定もLowとHighの2段階設定になっていています。私は保温電球も使うのでLowで使っています。もう1段階温かく出来る余裕があるのは嬉しいですね。
②保温器とセットで使いたいアスレチック感覚の止まり木
保温器が熱くなり過ぎないのは触って確かめました。それでも万が一・・と考えてしまうものです。
止まり木で保温器と鳥さんの間にある程度の距離ができるよう調整しました。
こちらの止まり木、上からも横からも取り付けられます。私は天井から吊るすようにしました。ちょうど保温機の正面の位置です。鳥さんの様子を観察してみると、その日の寒さや気分によって止まる位置を変えているようです。
支柱から色んな方向止まり木が突き出していてアスレチックのような感覚になるのでしょうか。逆さにぶら下がって遊んだり、ストレス発散で齧ったりと遊具としても活躍してます。
③保温電球がメインの暖房・暑くなりすぎないよう調節が必要
主に12月~2月頃、寒さが厳しい時期に鳥さんを寒さから守るメインの暖房になります。
カバー付きタイプの保温電球は他のメーカーのものも見かけますが、老舗で作りがしっかりしていて安心感があります。
先々代の文鳥さんから使ってますので20年使い続けてますが故障もありません。
値段は少し高めですが丈夫です。電球も明るくならないので鳥さんの眠りも妨げません。
少し強めの保温器具です。サーモスタットとセットで使うのをお勧めします。
夜に布を被せていたり、お昼に日が当たると鳥かごの中の温度が熱くなり過ぎる事があります。
また保温電球のカバーは長時間使うと熱くなります。鳥さんが火傷しないような工夫も考えなくてはなりません。
④止まり代で鳥さんが直接暖房に触らない工夫を
暖をとろうとして、鳥さんはついつい直接暖房に触ろうとします。
火傷をしないような仕組みが必要です。
昔は保温器の上に止まり木を渡していましたが今はこちらを使ってます。
Sサイズは直径5.5センチ。セキセイインコや文鳥が上に乗ると、ちょうどお尻がはみ出す形になります。下から上ってくる熱に羽毛の無いお尻が温められて気持ちがいいのでしょう。ちょこんと乗っていることが多いです。
小さいのでいい具合にフンが積もらず、下に落ちます。下の保温器も縁が少し汚れる程度で済んでいます。
⑤デジタル温度計とサーモスタットで鳥かごの温度を適切に保つ。
鳥たちにとって最適な保温の目安はどのくらいでしょうか。我が家の鳥たちは健康でまだ三歳と若いです。
一概には言えませんが、私が調べてみて出した結果です。
健康な若い文鳥・セキセイインコの
保温のめやす
20℃~25℃
湿度のめやす
50%~60%
ここを目標に保温していきます。そのためにまずデジタル温度計を用意します。
保温電球の上部、鳥かごで一番温度が高くなる位置にセンサーを取り付けます。絵図では簡略化されてますが、センサーの斜め対角線上の下部に温度計本体を取設置。ここが一番温度が低くなる場所です。湿度は人間用の加湿器で調整するようにしています。
温度計を取り付けたら、サーモスタットも取り付けます。
夜に布を被せたり、日中に日が当たると温度は変化します。そんな時でも電源のオン・オフを自動で切り替え、鳥かごの温度を一定に保ってくれます。
センサーは一番温かくなる場所、デジタル温度計のセンサーと同じ位置に取り付けます。そして保温電球の電源を接続。
前述の通り、25℃になるようにメモリを設定します。サーモスタットの方の設定は少しクセがあるのか(あるいは取り付け位置の問題か)26℃~27℃と少し高めに設定すると25℃を保てるようです。
⑥保温器の熱を逃さない防寒カバー
保温器具で温めた空気を鳥かご内に留めておくためのカバーです。透明なので中の様子も確認できます。チャックがあるのが便利!寒い時はしっかり閉じて比較的温かい時は前面を開け放したり調整する事が出来ます。
寒い時期でも私はセンサーの対角線上の位置は少しチャックを開けておくようにしています。鳥さんが「熱い」と感じた時に逃げる場所を確保するためです。
レビューに匂いが気になるという意見がありました。私はさほど気になりませんでしたが、確かに顔を近づけるとビニール独特の匂いはあります。大事をとって、使う前に全体を水拭きして一日天日干しをしました。それで匂いはほとんどなくなり、問題なく使えています。
注意点
長年、鳥さんのお世話をしていて思うこと。それは人間がいいだろうと思う温度と、実際に鳥たちが心地よいと思う温度はズレが有るということです。鳥かご全体を保温しつつも、鳥かごの中で温度が高い場所と低い場所をつくることが大切です。温度の幅を作っておけば、鳥さんは自分でが一番過ごしやすい場所を選ぶことができます。
保温器具を選ぶ時はなるべく少し値段が高くても故障がなさそうで、長持ちしそうなものを選びます。しかし機械はいつか壊れるもの。水を替えたり掃除をする時、頻繁に手を近づけてちゃん機能しているか直接確認することが必要です。そうしていても運悪く、壊れたことにしばらく気づかないことがあるかもしれません。なるべく2つ以上の保温器具を組み合わせて使う事をお勧めします。両方一度に壊れることはまず無いでしょう。寒い中で鳥さんが保温器が全くない状態で過ごす、という事態は避けられます。
ここまで鳥かごの保温方法を紹介しましたが、寒さが厳しくなってくると上記の方法だけでは温度を保てなくなってきます。その場合は人がいない場合でも部屋全体に緩い暖房を入れる必要があります。私は室温が18℃を切る場合は部屋の暖房も20℃に設定して入れています。
以上が現在、我が家で2羽の愛鳥のために行っている冬の保温でした。少しでも参考になれば幸いです。
まとめ
・保温器は緩めのものと強めのものを2つ以上組み合わせて使うのが好ましい。
・鳥が保温器に直接触れないよう工夫する。
・鳥かごの中に温度が高めの場所と低めの場所を作り、鳥が自分で居場所を選べるようにする。
・保温器がちゃんと作動しているか点検する癖をつける。
※この記事は管理人の飼育経験及び参考書籍を元に作成しています。
参考書籍